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フジツボの思うツボ
DVD『クジラの島の少女』を観た。(遅いっ!)マオリ族の12歳の少女、パイケアをめぐる物語だ。もちろんニュージーランドが舞台で2年前、世界中の映画祭で拍手喝采を浴びて観客賞を受賞し、主演の少女はアカデミー主演女優賞にノミネートされた。
原作はウィティ・イヒマエラの「WHALE RIDER」(映画名オリジナルも同じ)。
「祖先はクジラにのってやってきた」という神秘的な勇者神話伝説を信じるマオリの一家。男を族長とする一家は双子の男女を授かるが、母親と男の赤ちゃんは産後すぐに亡くなってしまう。父親は男だけが族長になることができるとして譲らない自分の父親と島を嫌い、外国で暮らし始める。家族はバラバラになり、家には祖父と女の子パイケアが残された。
大好きな祖父に認めてもらいたいパイケア。しかしその想いは受け入れられず、パイケアは女である自分を苦しむようになる。そんなある日、何頭ものクジラが浜辺に打ち上げられた。一族の終末の暗示だと恐れる島の人々。そのとき、パイケアは静かに一頭のクジラに近づいていった。伝説の勇者“ホエール・ライダー”の魂を受け継いだパイケアは「本来の生まれついた自分」として奇跡を起こす・・・。
公開当時、東京ではかなり騒がれていたみたいだけれど、私はNZに行って初めてこの映画のことを知った。美しい自然描写はもちろんのこと、シャーマニズムの伝統を重んじるネイティヴの人たちの世界でも、これからの時代を動かしてゆくのに必要なのは、女性の感性だというムーヴメントが大きくうねりだしているということなのだろう。地元NZではハリウッド映画を押さえて、6週間連続トップだったというからオドロキだ。ましてや、世界中で受け入れられ賞賛された、ということが象徴していることは大きいと思う。
女性的な直感的感性+それを実際のカタチにダウン・トゥ・アースする男性的な行動力とロゴス。この両軸両極を自分の中で、ユナイトする、協力体制に整えることが、今この惑星に暮らす私たちには必要だ。自分の中にある戦いが終わらない限り、戦争はなくならない。なぜなら私たちは「ひとつ」だからだ。そして、それは当たり前の毎日の生活にこそ帰着する。動物や昆虫たちには意識的にそこをやることが不可能かもしれないけれど(実はやってたりして。)私たち人間には大きな可能性が残されていると、私は思う。・・・って言ってること自体がナイーヴなロゴスのカタマリのようにも思えたりしてしまうのだけど・・・(苦笑)
原作では故郷を捨てたパイケアの父親の苦悩がもっと濃厚に描かれているらしい。でも私はこの映画が、女性のそれも少女の視点で描かれたということが、とても嬉しい。限りなく素直な「センス・オブ・ワンダー」がこれからの「豊かさ」のキーワードになるのは間違いない。どれだけ自分の中の少女がワクワクしながら生活できるか、これにかかっているんじゃないだろうか。
それにしても、映画中のクジラについていたあの巨大なフジツボ。私はあれに感動してしまった。どのくらいかかって、どうやってあんなに大きなフジツボになったのだろう。ラストシーンでは(ネタバレご容赦!)パイケアがクジラに登るときの、足がかかりになる。このフジツボがなかったら、パイケアは独りでクジラに登ることができず、奇跡は起きなかったかもしれない。でかしたゾ!フジツボ! いや、それがつくりものだとしても・・ってことで。











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